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保険自由化、お寺は火災保険の情報不足?

 お寺の火災保険証券を拝見すると、保険自由化以前の保険種類の証券を多く見かけます。その理由ははっきりしませんが、保険業界的に考えるとお寺は特殊で閉鎖的なマーケットとして捉えられているので、近寄りづらいのでしょうか?このためお寺には「新しいタイプの火災保険」に関する情報があまり入っていない傾向が見受けられます。そこで下記ではお寺にとって有効な保険の情報をいくつかご紹介します。

■破損・汚損

 「ある朝、お寺の塀に延々とペンキで落書きされているのを発見した。早急に塗り替えが必要だが、こんな場合も火災保険で補償可能なのか?」というご相談が以前ありました。このようないたずらは今まで補償の対象外でしたが、現在では「破損・汚損」特約」により保険金が支払われるようになっています。従来の保険である「住宅火災」「住宅総合」「普通火災」「店舗総合」にはこの特約がついていないので、追加付保できるかも含め問い合わせが必要です。

■保険料はどのくらい違うのか?

 火災保険の自由化以降、同種の保険でも各社の保険料に明確な差が出てきています。表3は鉄骨造3億円の建物での保険料比較ですが、1年で約4万円、30年では約90万円の差があります。保険料率が鉄骨より高い木造の場合では30年で実に約180万円、1年あたり6万円の差になります。木造建築が多いお寺の場合、今まで以上に保険契約に関して比較検討をすることが必須になることがお分かりいただけると思います。

■火災保険の掛け方の工夫

 他の住居や企業物件と比較しても寺院の火災保険料は木造建築物が多いことから高額になるケースが多くなります。しかも新タイプの火災保険を導入する場合には補償の内容が充実するため、ことさら保険料を考慮した提案を要望されます。図3は支払限度額の設定と免責金額設定のイメージですが、今まで一律だった掛け方が自由化以降オーダーメイドで設計が出来るようになりました。例えばリスクとしてあまり必要性のない部分の補償に「支払限度額」を設定することで保険料を軽減する方法です。

 お寺では「火災は怖いから満額補償にする。しかし水災はあまり考えにくいので補償額を減額する…」などです。そしてさらに「免責金額(自己負担)」を設けることによってさらに保険料を軽減できます。お寺の構内に建物が複数あり、保険金額の合計が10億円以上など、ある一定以上の物件をまとめて契約(1証券化)することで「構内特殊包括契約」が適用され保険料の軽減ができます。また加入の仕方を「長期一括払特約」にすると割安の保険料で済むこともあります。

【図3 支払限度額の設定と免責金額設定のイメージ】

図3 支払限度額の設定と免責金額設定のイメージ

■まとめ

 ここまで「火災保険」について述べてきましたが、一言で言ってしまえば「何に(目的)、いくら(金額)、どのくらい(補償範囲)加入しているのか」です。一度、鑑定をして表@のような表を作成してみると把握し易いでしょう。そして保険価額の差をなくし、次に保険料を軽減するために、どこの会社で、どの商品にするのか検討してみることをおすすめします。


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