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寺院の生命保険の活用

 生命保険の上手な活用には、加入時の「入口」と保険金や給付金を受け取る際の「出口」を想定した保険選びが欠かせません。例えば住職在任中に法人で掛けた保険を勇退時に法人から個人へ名義変更をする方法も効果的です。「名義変更」のメリットは今後保険加入できない身体状態の場合であっても、保険契約の書面上で契約者と受取人を変更できるところにあります。寺院で加入した終身保険(一生涯の保険)なら勇退時に個人に契約者、受取人変更をし、保険証券を退職金の一部として支払うことによって、その後の相続対策資金として活用できます。

 また医療保険も勇退時に個人へ名義変更することによって、引き続き個人としての医療保障を手に入れることが可能になります。また貯蓄性の高い保険を長い間加入している場合、その払い込んだ保険料に見合う含み(解約返戻金)があり、その含みを利用して「払い済み保険」に切り替えることが出来ます。払い済みとなった契約は当初約束された保険金額よりも金額は少なくはなりますが、以後保険料は発生せずに一定の補償が一定の期間だけ続けられる効果があります。この場合も健康診断などは不要で変更できます。保障額を減らしたくなければ当初の期間より短くはなりますが、契約時の保障を一定期間続けられる「延長保険」に変更が出来ます。

 また定期保険の期間満了が近くなり余命幾ばくもない状態になった場合でも、最初に設定した保障金額までなら終身保険に切り替えられる「変換制度」があることをご存知でしょうか。大切なことはそのような機能がある保険かどうかを、加入時である「入口」と「その保険が将来どのような活用が可能なのかという「出口」の説明を聞き、保険会社と保険商品を選択することが重要です。

 大切なのは保険選択は加入時にしか出来ないということであり、機能がない保険を選択してしまったらやり直しができないことを肝に銘じ、慎重に選択する知識を付けておくこととしっかりと説明を求めることがポイントなります。また意外と出来ていないのは、住職のみが保険機能を知っていても医療保険以外は請求するのは住職ではないことを考慮に入れ、奥様や家族に加入した保険の内容を説明しておくことです。保険会社や保険代理店にレポートなどにまとめてもらい文章として残しておくことも保険を有効に活用するコツといえるでしょう。

■労災事故の現状と寺院における対処

 労災事故で従業員が死亡した場合、会社が従業員の遺族から訴えられ高額な賠償金を支払う判例が増加しています。過労やストレスにより、脳や心臓疾患での死亡や過労自殺が使用者(会社)の安全配慮不足によるものであるという訴えです。そして実際に労災事故の認定を受けているケースも増えています。

 これは一般法人だけの話ではなく、今後あらゆる種類の法人でも起こりうることが危惧され、宗教法人でも例外とは言えません。仮に労災保険を掛けていない寺院において就業中に事故が発生した場合、事故に遭った家族から高額な賠償請求を求められたとしたら、寺院の存続が危ぶまれる事も想定されてしまいます。まして労災保険も未加入だったとしたら、どんな言い訳も通用しなくなります。

 ここで大切なことは、職員が労災保険の被保険者になりうるのかを専門家である社会保険労務士に確認し、しっかりとした対処をしておくことです。もし労災保険の被保険者に該当するならば、「労災上乗せ補償保険」と「使用者賠償責任保険」の準備も考慮に入れた対策と福利厚生制度を検討する必要があります(図2)。

【図2 使用者責任と賠償額】

図2 使用者責任と賠償額

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